ファビコンの意味

回顧録

 本ブログでファビコンとして用いているこの画像。

 一部フリー素材を用いているが、基本は私のオリジナルだ。

 一応このファビコンには、それなりの意味がある。


モデル

 実はこのファビコンは2代目で、もともとは下図のようなファビコンだった。

 青色の盾に本が描かれたこのファビコンは、イェール大学の紋章をモデルにしている。
 参考:https://en.wikipedia.org/wiki/Yale_University_Coat_of_Arms

 だが、私はイェール大学の卒業生でもなければ関係者でもない。

 ではなぜ、イェール大学の紋章をモデルにしてファビコンを作ったのか?

 それはイェール大学が、私が敬愛する物理学者・ギブスの出身大学であり、研究拠点だったからだ。

ギブスという物理学者

 ジョサイア・ウィラード・ギブスは、熱力学、統計力学、光学の分野で功績を残した、アメリカの理論物理学者である。

 ギブスが生きた1800年代後半の科学界において、ギブスは少し変わった存在だった。

 当時の科学界の中心はヨーロッパであり、そこでは多くの研究者が互いに交流を重ね、議論を戦わせ、最先端の研究成果を次々に論文にして発表していた。
 (当時の著名な物理学者にボルツマンやマクスウェルがいる。)

 これに対し、ギブスは科学界において僻地だったアメリカに研究拠点を置き、他の物理学者とほとんど交流することなく、凝縮された研究成果をごく少ない論文や本にまとめ上げた。

 そのため、ギブスはヨーロッパにおいては決して名の知られた存在ではなく、彼の業績が評価され始めたのも晩年にあたる1880年代になってからであった。

 しかし、その濃縮された研究成果は現代物理学の礎を築いており、 現在ではボルツマンらに並ぶ著名な物理学者の一人となっている。

シンパシー

 私がギブスの人となりを知ったのは、統計力学の勉強でこの本を読んでいたときだった。
 (上記紹介文も本書から引用した部分がある。)

 書名:統計力学Ⅰ・Ⅱ
 著者:田崎晴明
 出版社:培風館

 そのとき私は勝手ながら、一人黙々と自らの研究成果を美しくまとめ上げることを好んだギブスに対して共感と親近感を抱いた。

 なぜなら私自身、誰かと議論したり、短時間にたくさんの成果を上げることより、一人で黙々と事に当たり、自らの知見や成果を納得のいく形まで時間をかけて仕上げることの方が好きだからだ。

 社会的には前者の方が有能な人材とみなされるのだろうが、私はギブスのような生き方に憧れており、そんな生活を送るのが夢でもある。
 (ギブス自身はイェール大学の教授だったが、親から家と財産を受け継いでおり、晩年まで無給で職に就いていた。)

 ギブスのような生き方に憧れ、それを形で表したいと思ったとき、本サイトのファビコンを使おうと思った。

 そして、ギブスと所縁の深いイェール大学の紋章をモデルにしたファビコンにすることで、ギブスに対して敬愛の意を示したのである。

 盾に描かれている絵を本からパソコンに変えたのは、私自身が本よりパソコンとともに過ごしてきた時間が長く、ブログのファビコンとしては、本よりもパソコンの方が適切だろうと思ったためだ。

終わりに

 ギブスのようなタイプの人間が大成するのは稀なことだろうし、私自身も期待していない。
 (ギブス自身も、業績が評価され始めたのは晩年になってからのことであり、存命時に社会的名士になることはなかった。)

 逆にギブスとはあらゆる面で対照的だったボルツマンは、ヨーロッパ科学界の頂点に君臨し、社会的にも名士となった。

 だが私は、ボルツマンとギブス、どちらの人生を歩みたいかと問われたら、即答で「ギブス」と答える。

 大成できなくとも、衣食住に困らない程度で、平穏に好きなことをやりながら生きてゆければ、それで十分ではないだろうか?

 

 ちなみに、ヨーロッパ科学界の頂点に君臨していたボルツマンは、科学者との激しい論争を何十年も続けた結果、晩年は双極性障害に苦しみ、静養先で自殺したという。

 

 END


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