一度お蔵入りになった。
2015年発売のアルバム「REFLECTION」の収録曲。
もとはドラマ「信長協奏曲」用に書き下ろされた曲だったが、スタッフ内での評判が良くなく一度お蔵入りになった後、歌詞を一新して完成したという異色の経歴を持つ。
最初に聴いたときはそこまで響かなかった。
しかしNHKの「SONGS」のスペシャルで本曲の制作過程を知り、興味を抱いた。
そして「TOUR 2015 REFLECTION」の最終公演の演奏を観て好きになり、「Stadium Tour 2015 未完」でのライブパフォーマンスで特別な曲になった。
ライブでの「Starting Over」
ライブDVDに収録されているのは「TOUR 2015 REFLECTION」、「Stadium Tour 2015 未完」、「Dome Tour 2019 “Against All GRAVITY”」の3つのみ。
だがいずれのパフォーマンスも完成度が高く、本曲を聴く際も原曲はほとんど聴かず、聴くのはもっぱらライブバージョンになっている。
ライブ終盤で桜井さんの声が限界に近い状態だが、身を絞るようにして歌うパフォーマンスに胸が揺さぶられる。
だが、1か所だけどうしても許せない箇所がある。
Cメロから大サビに入る瞬間、一番盛り上がるその瞬間に桜井さんのコメントが挿入されているのだ。
後になってその編集は、実は実際の公演で桜井さんがミスをしてしまったため、それをカバーするためのやむを得ないものだったと知ったが、それでももっと他にやり方があっただろうと思う。
映像を編集するのは許すから「曲の途中に別の何かを挿入する」のだけは本当にやめてもらいたい。
私は最初「Stadium Tour 2015 未完」のライブDVDを始めから通して観ていたのだが、終盤に差し掛かったところで「この作品、今までの中で最高傑作じゃないか?」と思っていた。
だが、このコメント挿入によってすべてが台無しになってしまった。
まだ曲と曲の間だったらマシだったかもしれない。
よりによって大トリの、一番盛り上がるところで水を差されたわけだから、そのときの失望感は半端ではなかった。
だが、それを抜きにすれば、この「Starting Over」は文句なしで素晴らしい。
同ライブの「擬態」同様、背景のアニメーションも完成度が高く、PVとして発表してほしいくらいだ。
ちなみに、このパフォーマンスを外などで聴く際は、楽曲編集ソフトでコメント部分をカットして編集したものを聴いている。
もちろん実際に鑑賞する際も、コメント部分は飛ばしている。
私は本ツアー初日の福岡公演に実際に参戦したのだが、2曲目にこの曲のイントロが流れたとき、一瞬わけがわからなくなってしまった。
正直、この曲がライブで披露されることは当分ないだろうと思っていたし、披露されるとしてもライブの終わりの方だろうと予想していた。
その両方の予想を見事なまでに裏切ってくれたのだから、当時は脳がフリーズしても仕方がなかったと思う。
ただ、すぐに状況を飲み込んで曲を最大限にまで堪能できたときは幸福だった。
今はライブ音源を音楽データ化し、当時の情景を思い出しながらそれをひたすらリピートする日々である。
収録情報
アルバム
・REFLECTION
・Mr.Children 2003-2015 Thanksgiving 25
ライブビデオ
・Mr.Children TOUR 2015 REFLECTION
・Mr.Children Stadium Tour 2015 未完
・Mr.Children Dome Tour 2019 “Against All GRAVITY”
END
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