まさかの…
こんな日が来るとは、夢にも思っていなかった。
B’zとMr.Childrenが共演。
なんというパワーワードだろうか。
確かに稲葉さんが桜井さんとの対談動画で、ライブに「呼んでください」とは言ってたけども。
マジでやるとは思わんよ。
本音を言うと、大阪に参戦したかった。
結果的には動画配信での参戦になってしまったが、それでも自分にとっては最高のご褒美だった。
もう既に情報も出回っていて二番煎じなのは百も承知だが、各曲の感想を徒然なるままに書いていく。
感想
開催前、願望セトリを作ったりもしていたが、その中から実際に何曲か披露されて堪らなかった。
(Mr.Childrenは1曲しか当たらなかったのが残念だったけど。)
構成としては、前半にMr.Childrenが10曲、途中セットチェンジして後半にB’zが10曲演奏。
その後B’zがアンコール2曲を披露するという流れ。
さて注目のトップバッターだが、Mr.Childrenはいきなりガチな曲をぶち込んできた。
1. Tomorrow never knows
願望セトリに入れて唯一被った曲が早々に出てきてしまった。
1番のサビの最後に入れたシャウトに、桜井さんのここ2年間溜め込んだものが詰まっていたような気がした。
そして何より、演奏後の安心感、安堵感が半端じゃなかった。
「僕らはちゃんとここにいる。大丈夫。安心して」
このコロナ禍、誰がいなくなってもおかしくない中で、この曲を通して彼らがそんな風に語り掛けてくれているような気がした。
2. GIFT
セトリを見て「Tomorrow never knows」と「GIFT」が1,2曲目に陣取っているのを確認したとき、正直ライブのオープニングとしてはパンチに欠けると思っていた。
でも実際に鑑賞して、この「GIFT」で目頭が熱くなった。
なんと言うのだろう…とにかく、温かい。
会場全体を覆う包容力が凄まじい。
Thanksgiving25を超えたかもしれない。
配信期間中聴き倒す未来が容易に想像できる。
3.himawari
心が洗われたところで、直近のロックバラード最高傑作。
最初、B’zとの共演を意識してロック多めのセトリを組むかと思ったが、実際はそうでもなく、3曲目でようやくお出ましとなった。
後々その理由が本人の口から明かされるが、詳細は後で述べることにする。
MC
ここでMC。
最初の自己紹介で「初めての人もいるよね」とB’zファンに配慮する心遣いがらしいなと思う。
そして桜井さんの感謝が全面に現れたMCに、いやいやこちらこそと平伏したくなる。
4.口笛
「TOUR 2015 REFLECTION」以来の披露だろうか。
2015年は1番を観客に歌わせるパターンがあったが、今回はもちろん無し。
そう考えると「Concert Tour Q 2000-2001」以来に原曲に忠実な演奏。
個人的には「“HOME” TOUR 2007 -in the field-」のアレンジバージョンをもう一度やってほしい。
MC
ここで再びMC。
ここで、今回のライブのセットリストに関するこぼれ話があった。
桜井さん曰く、最初はB’zとの共演を意識して、ロック色の強いセットリストを組むことも考えたらしい。
しかし、B’zへの対抗心を燃やす中で、本当に自分たちが対抗すべき相手、勝つべき相手は別にあると気づいた。
それは、観客の皆さんが日常の中で抱えているモヤモヤや不安といったネガティブな思考や感情であること。
そういったものを叩きのめして、どこかへ吹き飛ばしていくことが、Mr.Childrenの勝利を意味するものだと思い直したという。
そして、この真の敵を倒すべく、一緒に次の曲をお届けします、という流れでB’z登壇。
いやもう、鳥肌がすごかった。
B’zとMr.Childrenが同じステージに立っている。
生で観れたらもっと感動しただろうな…
稲葉さんからMr.Childrenへの感謝が述べられたのち、夢の共演へ。
5.Everything(It’s you)
イントロはSUNNYさんのキーボードと田原さんのギターのみ。
一番の前半を稲葉さんが歌唱。
違和感なくてびっくり。
そして影になって表情は見えないが、体中から嬉しさがしとどに溢れ出ている桜井さん。
自分の曲を稲葉さんが歌ってくれているんだからな…
後半は桜井さんにバトンタッチし、サビからは再び稲葉さん。
サビが終わった後、残りの楽器が参加して改めてイントロ演奏。
ここから松本さんの存在感が半端じゃない。
多分曲調に合わせてオリジナルのメロディを組んでいるんだろうけど、強い存在感なのに不思議なくらい曲に溶け込んでいて、聴いていて全く不快じゃない。
2番のサビが終わった後のギターソロは田原さんと松本さんで分け合い。
何なんだこの贅沢なギターソロ。
最後の最後まで贅沢が渋滞していて、これを観れただけでもう十分と思ってしまった。
この曲自体はお気に入りと言うわけではないが、文句なしの個人的ベストアクトだ。
6.others
最新アルバム「SOUNDTRAKCS」より。
この曲に関してはアウトロに全て持っていかれた感じ。
桜井さんが一旦後ろに掃けて、楽器隊が観客に真正面から音をぶつける。
大人げなく、初めて彼らを見に来た人たちに「すごいバンドだろ?」とドヤってみたくなってしまった。
7.DANCING SHOES
「SOUNDTRACKS」バージョンの「I」。
絶対ライブで映える曲だと思っていたから今回聴けて嬉しかった。
ライブで披露するときは、桜井さんはハンドマイクで踊りながら歌うんだと勝手に想像していたが、それをやると確かにアコギ弾く人がいないなと勝手に納得。
8.SINGLES
個人的に一番意外だったこの曲。
確かに「DANCING SHOES」からの流れはかなり嵌るが、「重力と呼吸」からは出ても「himawari」ぐらいだろうと思っていた。
結構この曲、お気に入りなんだろうか?
もちろん、自分は好きなんだけど。
いい意味でMr.Childrenのイメージからは離れた曲だし、初めてMr.Childrenのライブに来た人は面食らうんじゃないだろうか。
9.Brand new planet
パフォーマンスもいよいよ佳境へ。
この曲もライブで聴きたかった曲。
最初は響かなかったこの曲、後になってリピートするようになった。
大サビの直前に暗転して照明が上がり、大サビ突入で暗転が解ける演出は個人的ハイライトと言ってもいい。
いつか生で聴きたい…
10.innocent world
トリはお馴染みのこの曲。
もう完全にキーを下げた演奏が定番になったが、もう原曲キーで歌うことはないのだろうか?
個人的にはキー下げも好きで全く不満はないのだが、原曲キーの披露機会が無いのもそれはそれで寂しい。
と、欲を出したところで原曲キーに戻るわけではないし、彼らがまだバンドをやってくれていることだけで本来は十分なこと。
改めて、1分1秒でも、彼らが長く活動し続けることを願う。
Mr.Childrenのパフォーマンスが終了し、彼らが掃けた後、ステージセットをチェンジ。
実際は15分ほどかかっていたらしいが、動画配信では数分に短縮されていた。
スクリーンに「B’z」の文字が表示された後、ステージ上のセットを囲むように火が灯り、オルガンの音色が響く。
ステージの雰囲気が一気にB’zのそれに様変わりした。
そしてバンドメンバーとB’zの2人が登壇。
B’zのパフォーマンスが開始される。
11.UNITE
開催直前に公表された、本企画のために書き下ろされた新曲。
発表された段階で一発目に持ってくるだろうなと予想はついていた。
今回のUNITEを彷彿とさせるような歌詞と最初思ったが、もしかしてMr.ChildrenやGLAYとの共作を作る伏線?
12.イチブトゼンブ
願望セトリの被り曲1曲目。
しかも披露するタイミングもピタリ。
曲調は違うけど、ポジション的にはMr.Childrenの「HANABI」に似ていて、比較的若い世代にも広く知られているから、掴みとしてはもってこいの曲。
MC
「TOUR 2015 REFLECTION」で桜井さんがやった「会いたかった」をやってくれた稲葉さん。
最後につけ足した「マジで」でちょっと笑ってしまった。
歌唱中は思いっきり前面に出ていくのにMCでは落ち着いたトーンですごく腰が低いそのギャップがたまらない、という人も多いはず。
ここでお馴染みの
「B’z prezents UNITEにようこそー!!」
からの3曲目はこの曲。
13.love me, I love you
ちゃんと聞くのは実は初めてだったりする。
だが歌詞を眺めながら聴いてみると、今の状況にはまさにうってつけの曲だ。
他人に期待するあまり、イライラしたりモヤモヤしたりするけど、人に頼る前にまずは「Love me」、自分を愛する。
自分はそもそも他人にそこまで期待しちゃいないけど、せめて自分を愛せるようになれたら、と思う。
14.有頂天
願望セトリの被り曲2曲目。
コロナ禍でライブ活動を満足にできない今、でも今夜だけは有頂天になってもいいよな?
稲葉さんとしては自分の気持ちを代弁する曲としてセットリストに入れたと思うけど、それ以上にファンの気持ちを代弁してくれている曲だと思う。
15.今夜月の見える丘に
願望セトリの被り曲3曲目。
安定のパフォーマンス。
ライブでは原曲に忠実な演奏が基本だが、逆に余計なアレンジはこの曲には不要だろう。
巨大な満月とモノクロ映像が絶妙にマッチしている。
MC
ここで稲葉さんから改めて、コロナ禍からUNITE開催に至るまでの思いが語られた。
当初はこの状況もすぐに改善するだろうと思っていたこと、でも実際はそうは問屋が卸さず、自分たちが今まで当たり前のようにやってきたことが実は当たり前ではなかったことを痛感したこと。
そしてMr.Children含め、UNITE開催に尽力してくれた人たち、ルールを守ってライブに参戦してくれたファンへの感謝が伝えられた。
MCの最後に「ケン坊」の呼びかけの後、ケン坊こと川村さんのソロ演奏がスタート。
シンセサイザーのパフォーマンスを、本体を揺らして歪んだ音を響かせたところで、馴染みのあるメロディーが耳に飛び込む。
16.LOVE PHANTOM
ストリングス部分が全てカットされ、ピアノの部分から入るイントロに思わず唸ってしまった。
願望セトリの被り曲4曲目。
ありきたりかもしれないが、この曲を聴く度に自分自身を諫めるようにしている。
欲求に流されるな、ありのままの相手を愛せ、と。
演奏後、稲葉さんがスタンドマイクよりも前に出て、マイク無しで声を張り上げる。
「聞こえますかー!!」
稲葉さんの呼びかけに観客が拍手で答える。
この流れは…
「ウオーーオオーウオウオーーオオーーーーー!!!!」
17.Calling
本ライブ個人的最高のハイライト。
願望セトリの被り曲5曲目。
願望セトリの中でも特に聴きたかった曲の1曲がこの「Calling」。
思わずジーンときてしまった…
この日の観客も同じだったのだろうか、この曲だけは盛り上がり方が一段も二段も上だった。
パフォーマンス終了後の鳴りやまない拍手が何よりの証拠だ。
MC
割れんばかりの拍手に「明日手が腫れるかもよ?」と心配する稲葉さんにさらに拍手で返す観客。
手の心配をしつつ、観客と拍手の掛け合い。
ここまで来ると次にやることはもう予測できる。
パンパン、パンパンパン、 パンパンパンパン!「BANZAI!」
18.BANZAI
ハイライト(にして良いのかというのが正直なところだが)は、大サビでジャンプして転倒する稲葉さん。
ドラム下のカメラの真正面でジャンプしたもんだから、コケたシーンを絶妙なアングルでバッチリ収められてしまった。
てか、ドラム下のカメラの映像で流れたのここだけじゃないか?
とりあえずケガしなくて良かった。
19.ミエナイチカラ〜INVISIBLE ONE〜
この曲もちゃんと聴いたのは今回が初めて。
今までB’zのアニメタイアップはコナンのイメージしかなかったが、この曲はぬ~べ~のエンディングで、しか初のアニメタイアップということを今回初めて知った。
MC
キーボードの音が響く中で、本編最後のMC。
改めて観客へ感謝を伝えた後に、本編最終曲へ。
20.兵、走る
願望セトリの候補には入っていたのだが、セトリの流れを考慮して最終的に外してしまった曲。
正直本編かアンコールのラストに披露するイメージしかなく、願望セトリの中ではそれらは「RUN」と「C’mon」で埋まっていたから弾かれてしまった。
だがどちらかが外れるならこの曲が代わりに入るだろうとは思っていた(両方外れてしまったが)。
人生が続く限り、ゴールなんてないし、安住の地なんてものは存在しない。
それは、成功して走ることを止めた結果堕落してしまった人間も多くいるという事実も暗示している。
自分としてはこれは応援歌でもあるが、B’z自身が慢心しないよう、自身への戒めとして歌っているようにも思える。
本当にそうかは別としても、B’zの2人が現状に慢心せずに今も音楽と真剣に向き合っていることは確かだろう。
こういうバンドの音楽を好きになった自分を誇りに思うし、これからも応援し続けたい。
本編が終了し、B’zとサポートメンバーは一旦舞台裏へ。
しばらくアンコールの拍手が鳴り響いたのち、再びステージに照明が灯ってB’zとサポートメンバーが登壇。
MC
稲葉さんが(いつも通り自分以外の)メンバー紹介。
そして最後にMr.Childrenへの感謝とともに、桜井さんをステージに呼び寄せる。
B’zとのコラボって緊張する気がするが、桜井さんは普段のライブ以上に楽しそう。
稲葉さんが他のバンドのボーカルをゲストに入れてB’zの曲を披露するのは桜井さんが初めてという話をしたときに、桜井さんが「もう他の誰にもやらせないでくださいよ?」と言っていたけど、この後B’zがGLAYと共演することはもちろん知っているだろうから、桜井さん的には半分冗談、半分本気で出た言葉だろう。
そして稲葉さんが曲紹介を桜井さんに振り、「選ばせて頂きました」と前置きした上で曲名をコール。
21.さまよえる蒼い弾丸
イントロからカズダンスでテンションマックスの桜井さん。
好きなバンドの好きな曲をそのバンドが演奏して一緒にステージで楽しみながら歌う。
桜井さんにとっては最大のご褒美だっただろう。
自分の願望としては「愛のバクダン」か「ギリギリchop」でのコラボを見たかったが、このコラボを見たらもう何でもアリだなと思えてしまった。
桜井さんがジャンプすると稲葉さんも負けじとジャンプ。
ただ自分のジャンプには不服だったようで、パフォーマンスが終わって桜井さんが掃けた後、「やっぱり(桜井さんの)ジャンプは違うな」と感心していた。
そしてラストのラスト。
稲葉さんが観客の手を心配しつつ、最終曲へ。
21.ultra soul
願望セトリの被り曲6曲目。
だがぶっちゃけ、本当にこれをやるかは半信半疑だった。
観客との掛け合いが必須の曲だし、正直、観客側が声を我慢できないのではと思っていた。
だが、B’zは観客を信じた。
観客もそれに応えた。
そして自分も思った。
やっぱりB’zのライブにこの曲を外すことはできない。
全パフォーマンス終了後、改めてMr.Childrenがステージに。
田原さんが半袖シャツ。
き、貴重だ…
JENは桜井さんと稲葉さんが話している後ろで観客を煽りまくる。
自由過ぎる気もしたが、桜井さんもそうだけど、思っていた以上に自然体で、それはそれで嬉しかった。
記念撮影の際は、観客のマスクを桜の花びらに例える桜井さんが素敵すぎた。
Mr.Childrenが降壇した後、B’zのメンバーで恒例の「おつかれーっ!」。
バンドメンバー降壇後、B’zの2人が残り、改めて観客へ感謝を伝えて全プログラムが終了した。
終わりに
正直、今回のライブが決まった際、とても嬉しかったし興奮もしたが、不安もあった。
いくつかのフェスで開催の在り方が問題視され、音楽業界全体へのイメージがダウンする中での有観客ライブ開催決定だったからだ。
東京事変のトラウマもあったし、一歩間違えば、例えば動画配信の中に歓声が少しでも入っていたら方々から非難を浴びるのではないかと戦々恐々としていた。
だが蓋を開けてみれば、観客の皆さんはちゃんとルールを守り、曲中も曲の間でも声を上げることは一切無く、完璧な流れでライブが進んでいった。
「B’zとMr.Childrenの顔に泥を塗るわけにはいかない」
きっと現地参戦した方はそんな心持だったに違いない。
両バンド以上に、今回のライブでは観客の皆さんがMVPだろう(なんちゅう上から目線)。
稲葉さんと桜井さんの間で「また一緒にやりましょう!」というやり取りが何度かあったが、ファンとしては是非また共演してほしい。
(できればそれぞれの曲にガッツリ混ざり合う感じで。)
次にお会いできるのがいつになるかわからないが、その日までどうか皆さん、お元気で。
最高のライブ、本当にありがとうございました。
END
コメント