【東京事変】「音楽」感想

東京事変

 遅ればせながら、全曲感想を書き連ねていく。

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収録曲感想

 1.孔雀 (Peacock)

 東京事変のシンボルがそのままタイトルに。

 「鶏と蛇と豚」のアンサーソングでもある。

 日本語、英語、そしてお経。

 最初文字化けかとも思ったが、彼らならやりかねないと勝手に納得してしまうあたりで大分毒されている。

 

 2.毒味 (Foretaste)

見せて勝利への確証を得た顔つい震えるその利き腕

東京事変「毒味」

 ここの歌詞、絶対に羽生さんのことだよな?

 

 3. 紫電 (Lightning)

 若い世代の厭世観を的確に描写した一品。

 歌詞の「大人」に半分足を突っ込んでいる側からすると何とも言えない気持ちになる。

 「正しくその通りですごめんなさい」と平伏すことしかできない。



 4. 命の帳 (Veil Of Life)

 「東京事変流極甘恋歌」とでも言おうか。

 メロディと相まって情景が自然に浮かび上がり、歌詞がその分より生々しく感じる。

 

 5. 黄金比 (The Golden Ratio)

 曲を聴いた後「作曲:浮雲」の文字を見て納得。

 歌詞も結構とっ散らかっていて、全部を理解するに至ることはできない。

 が、自分もブログで「自分が理解出来りゃいいか」ととっ散らかったことを書くこともあるからそれと一緒かと思っておこう。

味方か敵か或いは恋人だった時代もあったっけ

東京事変「黄金比」

 この歌詞はカリオストロの城での不二子のセリフで間違いない。

 

 6. 青のID (Periodo Azul)

 追い立てるタイプの応援歌。

 ちょうどシンメトリー部分の歌詞が刺さる。

 昨日の自分に後悔することあるある。

 考える暇があるなら動けはその通りなんだけど失敗したくないんだこっちは。

 昨日、そして過去の自分で形成されている。

 白黒つけずに曖昧で済ましたら後々大変なことになることもある。
 でも間違った評価への誘導には乗せられないようにしなきゃならないし、そもそも評価すべき事象自体が僅かしかない。
 そんな中でも、自分に正直に評価を下したい。

 ほんと、自分に正直にありのままに生きていけるならどんだけ楽なことだろうか。
 それが叶ったとき、本当に「生きている」と実感するのかもしれない。

 

 7. 闇なる白 (Whiteout)

 タイトルの意味が最初わからなかったが、英タイトルを見て納得。

 発言の一部を抜粋してそれを主点のように見せ、あたかも失言したかのように報道するマスコミ、癌、対立を煽って自殺まで追い込むバラエティ番組、悪待遇で過剰サービスを強要されて疲弊するコンビニ業界など、現代日本人を苛む事象がこれでもかと詰め込まれている。

 そして多くの日本人がホワイトアウトの中を彷徨っている。

 そして最終的に逃避、死へと向かう。

 

 8. 赤の同盟 (Red Alliance)

 と、落ちるところまで落ちたところで開き直ったように「何が起きても良い」と歌い上げるのだからたまらない。

 YouTubeで公開された当初は特殊なメロディに慣れなかったが、どこかクセになって聴き続けるうちに見事に脳が順応し、洗脳されてしまった。

 ジャケットの和菓子、販売してくれないだろうか…

 

 9. 銀河民 (The Galactic Man)

 明らかに無重力空間を意識したような浮遊感漂うイントロ。

 歌詞も遊び心満載…というか完全に自由に遊んでいる。

 今までにないタイプの楽曲な気がする。

 

 10. 獣の理 (View of Life)

 良くも悪くも、これと言った濃い特徴が無い一曲。

 と言うより、他の面子が濃すぎるというのが正解かもしれない。

 「D_CIDE TRAUMEREI」をやれば詞の意味も分かってくるだろうか。

 

 11. 緑酒 (Awakening)

 本アルバム最高の一品。

 本アルバムで一番リピートしてる。

 自分がお酒を嗜めないことが悔しいと初めて思ったかもしれない。

 「違っていた」とは思い描いていたものと違っていた、ということだろうか?

 違ったバトンを受け継いで自分が世の中を動かす立場になったものの、時間もお金も無い中心身を消耗しながら働く。

 なんでこんな状況になったんだ?

 歪み切った世の中を変えたいなら、年齢問わず声を上げて議論しなきゃならない。

 全世代へ檄を飛ばした後、流れるように極上のサビへ。

 多くの人の「自由」に対する渇望をドストレートに表現した歌詞が刺さる。

 「自由」を「貴様」と呼んでいるのがまた良い。

 昔は相手に敬意を示す二人称だったらしいが、自分は現代の意味での「貴様」と解釈したい。

 だがそこには見下す感情はなく、捕まえようにも捕まえられない「自由」に対して「絶対に貴様を捕まえてやる。それまでは絶対に落ちぶれるなよ」という覚悟が籠っているのではないか。

 「選ばれざる」とあるが、ここは「選ばれざるを得ない」と解釈したい。

 どんなに優秀で才能があっても運やタイミング次第で服従する側になってしまうこともあれば、何かを成し遂げたわけでもないのに支配する側になる人もいる。

 自由を買い叩き、尊厳を奪い合う人々が蔓延る世の中を風刺している。

 そして、ここからの歌詞が落涙ポイント。

 この「緑酒」の本当の味を噛み締めて酔いたい。

 だから、真っ当な人間が評価されて苦なく生きていける世の中を作ろう。

 それが完遂したときこそ、次世代の人々に「真っ当に生きろ」と諭しながら、心から世の中を、そして自分の生き様を祝福できるときだ。

 そこで飲む「緑酒」の香りは、さぞかし体に染み入るに違いない。

 この大仕事を完遂するために、多くの人が汗を流し、ときには涙することもあるだろう。

 どうか無駄に終わらず、報われてほしい。

 かなり主観が混ざっているだろうが、いつも東京事変から我々へ向けたこのメッセージを噛み締めながら曲を聴き、目頭を熱くしている。

 早くライブで聴きたい…

 

 12. 薬漬 (Overdose)

 年齢的には壮年の方を歌ったものだろうか。

 年老いて機能低下した脳まで持ち込んで若返りたくはないが、今の年齢で子どもに戻れるなら戻りたい。

 

 13. 一服 (Breather)

 本アルバムのカーテンコール。

 こちらの歌詞もなかなかの取っ散らかり具合。

 この曲自体がアルバムのエンディングテーマという位置づけであり、それ以上の付加価値を求めていないのかもしれない。

 歌詞に渋谷区南平台と新宿区矢来町が出てきたのでついGoogle Mapで調べてしまった。

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終わりに

 再生後初のフルアルバム。

 そして解散後に好きになった自分としては、新作を初めてリアルタイムで手にしたフルアルバムでもあった。

 またいつ解散するかわからないが、解散前にツアーを敢行してもらいたい。

 「緑酒」を早く生で聴きたい…

 

 END

 

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