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【電磁気学】ローレンツ力③~一様磁場および円筒電場中での荷電粒子の運動②~

電磁気学

 前回

にて一様磁場および円筒電場中でのローレンツ力による電子の運動を見てきた。

 今回も前回と似ているが、解析的には電子の運動を記述できない系を扱う。

 解析的には解けないので運動方程式の導出のみで止めるが、今回はデカルト座標系と円筒座標系の2種類の運動方程式を導出してみる。

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ローレンツ力の復習

 電荷qを有する荷電粒子が、電場Eと磁場Bが存在する真空中を速度vで運動している。

 このとき、荷電粒子が電場および磁場から受ける力Fは次式で表される。

F=q{E+v×B}

 このFローレンツ力と呼ぶ。

 

 さらに荷電粒子の質量をmとし、運動方程式を利用してFvを変位rの時間微分で表すと

md2dt2r=q{E+ddtr×B}

となる。

一様磁場および大きさ一定の円筒電場の系

系の概要

 z軸方向に一様磁場B=(0,0,B)に加え、電場E=(Ex/x2+y2,Ey/x2+y2,0)が存在する真空中での、質量m>0、電荷q0の荷電粒子の運動を考える。

 この電場は動径方向に向きを持つが、大きさは位置に依存せず一定である(下図参照)。

電場E=(Ex/x2+y2,Ey/x2+y2,0)のイメージ

デカルト座標系での運動方程式の導出

 まず(2)の右辺に各条件を代入して整理すると

q{E+ddtr×B}=q{(Exx2+y2,Eyx2+y2,0)+ddt(x,y,z)×(0,0,B)}=q{(Exx2+y2,Eyx2+y2,0)+ddt(yB,xB,0))}=q{E(xx2+y2,yx2+y2,0)+Bddt(y,x,0))}

となる。

 よって(2)は

md2dt2r=q{E(xx2+y2,yx2+y2,0)+Bddt(y,x,0))}

となる。

 よって各成分について抜き出すと

md2dt2x=qExx2+y2+qBddtymd2dt2y=qEyx2+y2qBddtxmd2dt2z=0

となる。

円筒座標系での運動方程式の導出

 電場が動径方向に広がっているため、円筒座標系で扱うことを考える。

 このとき、r0,0θ<2πとして、x=rcosθ,y=rsinθとなる。

 

 導出には、オイラー・ラグランジュ方程式を用いる。

 今回の系におけるラグランジアンL

L=12m(v2x+v2y+v2z)q(ϕvA)

となる。

 ただしϕは静電ポテンシャル、Aはベクトルポテンシャルであり

E=(Exx2+y2,Eyx2+y2,0)=ϕB=(0,0,B)=×A

を満たす。

 このとき、

ϕ=Ex2+y2=ErA=B2(y,x,0)=12B(rsinθ,rcosθ,0)

となる。

 ここで、速度を円筒座標系で表現する。

vx=ddtx=ddtrcosθ=cosθdrdtrsinθdθdtvy=ddty=ddtrsinθ=sinθdrdt+rcosθdθdt

 よって(12)、(13)より

v2x+v2y=(cosθdrdtrsinθdθdt)2+(sinθdrdt+rcosθdθdt)2=cos2θ(drdt)22rsinθcosθdrdtdθdt+r2sin2θ(dθdt)2+sin2θ(drdt)2+2rsinθcosθdrdtdθdt+r2cos2θ(dθdt)2=(drdt)2+r2(dθdt)2=v2r+r2v2θvA=(vx,vy,vz)B2(rsinθ,rcosθ,0)=(cosθdrdtrsinθdθdt,sinθdrdt+rcosθdθdt,vz)B2(rsinθ,rcosθ,0)=B2(rsinθcosθdrdt+r2sin2θdθdt+rsinθcosθdrdt+r2cos2θdθdt)=Br22dθdt=Br2vθ2

となる。

 ただしvr=dr/dt,vθ=dθ/dtとおいた。

 よって(10)、(14)、(15)を(7)に代入して整理すると

L=12m(v2r+r2v2θ+v2z)+q(Er+Br2vθ2)

となり、円筒座標系でのラグランジアンを得られる。

 

 後はこのラグランジアンを円筒座標系でのオイラー・ラグランジュ方程式

ddt(Lvr)Lr=0ddt(Lvθ)Lθ=0ddt(Lvz)Lz=0

に代入して運動方程式を求めればよい。

 先にラグランジアンの偏微分を一通り求めておく。

Lr=mrv2θ+qE+qBrvθLθ=0Lz=0Lvr=mvrLvθ=mr2vθ+qBr22Lvz=mvz

 まずrについて、(20)と(23)を(17)に代入して整理すると

ddt(mvr)(mrv2θ+qE+qBrvθ)=0m(ddtvrrv2θ)=q(E+Brvθ)

となる。

 次にθについて、(21)と(24)を(18)に代入して整理すると

ddt(mr2vθ+qBr22)0=02mrvθdrdt+mr2ddtvθ+qBrdrdt=02mvθdrdt+mrddtvθ+qBdrdt=02mvθvr+mrddtvθ+qBvr=0m(rddtvθ+2vrvθ)=qBvr
となる。

 最後に次にzについて、(22)と(25)を(19)に代入して整理すると

ddt(mvz)0=0mddtvz=0

となる。

 まとめると、円筒座標系での運動方程式は

m(ddtvrrv2θ)=q(E+Brvθ)m(rddtvθ+2vrvθ)=qBvrmddtvz=0

となる。

荷電粒子の軌跡のシミュレーション

 最後に、上で求めた運動方程式をPythonのSciPyパッケージのodeintモジュールで解いた結果を掲載する。

 荷電粒子の軌跡は、前回見たような二重の円運動となる(図1)。

 z方向に初速度を持っていればらせん運動となる(図2)。

図1:v0z=0のとき
図2:v0z0のとき
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終わりに

 今回の執筆でPythonもかなりいじったので、そこで得られた知見も記事化していこうと思う。

 

 END

 

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