情報媒体との向き合い方を再認識。
概要
ジャーナリスト・伊藤洋一が送る「情報」の扱い方の指南書。
現代において様々な形で発信される情報をいかにピックアップし、読み解き、自分の糧とするかを自身の経験をもとに伝授する。
また、自らが情報を発信する際の心構えを説き、さらに現代特有のツールであるSNSでの発信における注意点にも触れている。
レビュー
情報を扱うプロの知恵と経験を惜しみなく出してまとめた一冊。
刊行が2016年であるため、紹介している情報端末が古い機種であったりするが、内容自体は現在でも十分通じるし、今こそ再確認するべき提唱も多くある。
特に第4章終盤の4節はSNS発信時の注意点をまとめたもので、自身も読みながら「言われてみれば確かに」と再認識させられる部分も多かった。
また本のメリット、テレビとの付き合い方、専門家を選ぶ基準、アウトプットの意味についても同様に賛成できる内容だった。
また「特ダネ」を流す時間帯が決まっていること、新聞の「ベタ記事」の意義など自分が知らなかったことも多くあった。
新聞は購読していないし、正直に言うと今までまともに読んだことがない(何なら各新聞社の傾向も良く知らない)が、もし読む機会が訪れたら本書を参考にしようと思う。
特に個人的に唸らされたのは、日本がIoT化の波に完全に乗り遅れた原因を鋭く指摘している部分(P123~P132)である。
アメリカのとある企業はITを駆使して、1つ自社製品を購入するとまた別の自社商品を顧客に購入させるような仕組みを作っている。
しかし日本はITを個々の商品の価値を高める手段としてしか用いておらず、商品間の連動性やシステム化という発想がない。
上記は著者の主張の一部だが、言い得て妙だと思うのは自分だけだろうか。
個人的には正直、日本のメーカーはこのことに気づいていないだけで、もし気づいて真似をすれば、もともと良い製品を作る技術はもっているから、早い段階で欧米と渡り合えるレベルに到達できる気がしている。
もちろん既に実績がある市場で勝つのは難しいだろうから、まだ実績がない市場、もしくは日本に強みがある市場でトライする価値はあるだろう。
終わりに
本書では情報発信の心構えとして「夜のアウトプット」には十分注意することを説いている。
あけすけに言えば、夜中のテンションで書いたものを信用するなということである。
さて、今自分が書いている本記事も夜中11時に執筆しているのだが、いかがだろうか。
END
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