地政学、ちゃんと勉強しよう。
概要
YouTubeチャンネル・社會部部長による地政学の入門書。
アメリカ、ロシア、中国、日本の4か国に的を絞り、地政学的観点から各国の弱点をあぶり出し、それらが現在の世界情勢にどのように影響を及ぼしているかを丁寧に解説している。
その上で、世界情勢が決して安定しているとは言えない現代において、日本がどのように対応するべき方策を提示している。
レビュー
今の世界情勢を理解するには、歴史を学ぶ必要がある。
これは当たり前だが、忘れられがち、というより今まで一般的には重視されてこなかったのが地政学だろう。
いかんせん自分も、地政学に本格的に触れたのは本書が初めてである。
読み終えて確信した。
これは教養レベルで知っておかないとダメだと。
地政学とは、地理が各国にどのような影響を及ぼし、また未来に及ぼしうるかを研究する学問だ。
世界情勢を研究する学問において、他の学問との決定的な違いは、(人類の歴史から見れば)不変である地理を主軸に据えていることであり、法則性を見出しやすい点である。
これから世界はどのように変わっていくのか、各国の思惑はどうなっていくのか、我々は政治情勢や各国首脳の動向から判断しようとする。
しかし、これらは結局正確には予測不能な人間を相手にした推測であり、必ずこうなると断言することはできない。
反面、地政学では不変な地理が相手であるため、その予測精度は一気に上がる。
事実、これまで起きてきた紛争、戦争の原因は地政学から大方導き出すことが可能である。
もちろん、すべてが説明できるわけではないが、世界情勢を理解する上では絶対に外せない視点である。
アメリカが沖縄に基地を置くのはなぜか。
ロシアがウクライナに軍事行動を仕掛けるのはなぜか。
中国が尖閣諸島に異常に拘るのはなぜか。
これらのよく議題に挙がる疑問の(部分的ではあるが)解答が本書に記されている。
何度か読み返して是非モノにしたい一冊だ。
終わりに
最近新書以外にも手を出し始めた。
ただ最近は少し本を買いすぎて、棚の肥やしになりつつある。
とりあえず今ある本は読み切ってしまいたい。
END



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