【思考録】4-2:育児環境は運次第?

思考録

 下記

の続き。

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「運」は不可欠

 この恵まれた環境は、必ずしもAさんお一人の力だけで構築したものではない。

 もっと言えば、上記に挙げた①~⑤の事項のほとんどが運で左右される部分が大きい。

 

 

 ①金銭的な余裕がある。

 努力次第という声も聞こえてきそうだが、私は①も運の要素がかなり強いと思っている。

 Aさんは専業主婦であるため稼ぎ頭はご主人であるが、もしご主人と結婚しなければAさんの経済状況はまた違っていたはずである。
 そもそも結婚するためには、まずご主人と出会わなければならないわけで、これこそ運だろう。

 

 ②人間関係に大きな問題がない。
 ③周囲のサポートがある。

 ②と③はわかりやすいと思う。

 付き合う人間によっては、人間関係に悩まされることになる。
 結婚相手が育児に消極的だったり、義両親と反りが合わないこともある。
 そもそも、人間は生まれ方を選べない。

 そう考えると、Aさんに関しては、ご両親、ご主人、義両親どなたも人格者であり、かなり恵まれた方々に囲まれていると言える。

 

 ④有益な情報を享受できる環境がある。

 ネット環境に限って言えばかなり多くの人に浸透してきているが、トップブロガーという勝手に情報が入ってくる環境の構築には運も少なからず加担しているだろう。

 もちろん、トップブロガーになった要因にはAさんの地道な努力もあったわけで、そこは否定しない。

 だが、絵心の有無であったり、そもそもAさんが長女ちゃんを授からなければブログ自体を始めていなかった可能性もあることを考えれば、運を度外視することはできない。

 

 ⑤自分のメンタルを左右する趣味嗜好がない。

 これこそ運の要素は捨てきれない。

 なぜなら個人の趣味嗜好というのは、その人が今まで過ごしてきた環境が色濃く反映されるからだ。

 運が悪ければ、Aさんもアルコール中毒になるほど酒に溺れる生活を送っている可能性もあるわけである。

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「運」に頼らざるを得ない時代

 Aさんは実力だけでなく運にも恵まれ、 育児以外のことに関してはほぼストレスフリーな環境を作り上げた。

 だがこれは裏を返せば、運がなければこの環境を整えることが難しいということでもある。

 

 だが、育児環境構築に不可欠な要素として「運」が占める割合は、昭和の時代はそこまで高くなかったと思う。

 

 

 昭和の時代は三世帯家庭が多くを占め、子どもの面倒を見るのは母親だけではなかった。

 その母親も大半は専業主婦で、自分の子どもと向き合う時間がしっかり確保されていた。

 そして昭和後期は高度経済成長期で、時間の経過に比例して生活の質の向上が約束されていた時代。

 サラリーマンとして働いていれば順当に給料が上がる時代に、今ほどお金の心配をする人はいなかったのではないだろうか。

 育児の負担が分散され、母親が子どもと向き合う時間が確保され、お金の心配もさほどする必要がない。

 そんな育児に適した環境が「運」に頼らずとも自然に整えられていたのが、昭和の時代だ。

 

 

 だが、時代が平成に入ると、その状況が変化していく。

 二世帯家庭が中心となり、育児の負担が母親に一極集中するようになった。

 また女性の社会進出が活発化して働くお母さんが増え、子どもと向き合う時間を確保することが難しくなった。

 そしてバブル崩壊、リーマンショックを経て経済が低迷し、将来の先行きに不安を抱える人が多くなった。

 普通の神経を持っていれば、自分の未来さえ危ういと感じる人が子どもを作るなんてことをするだろうか?

 この時代、「少子化」という現象は起きるべくして起こった現象だと私は思う。

 そんな時代に子どもを作るのは、育児に適した環境を「運」も味方につけて構築した人か、自分や子どもの将来のことを考えていない人のどっちかだろう。

 

 

 下記に続く。

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