今更投資の本を読んでも・・・という気もしたが読んで正解だった。
概要
マネーリテラシー啓蒙家の一人である山崎元氏と、投信ブロガーの先駆け的存在である水瀬ケンイチ氏が送る、ほったらかし投資の「公式本」。
著者らの結論が一本化され、かつ2015年の第2版刊行からの7年間における社会情勢の変化が織り込まれた全面改訂版である。
年齢、経歴、収入に関係なく、だれもがほったらし投資に参加するための最適解がまとまっている。
レビュー
自分自身、(去年iDeCoに切り替えたものの)投資信託による積立投資は3年以上前から実施しているし、方針もある程度決まった状態にある。
なので今更改まって投資の本を読む必要はあるのか、という気もしていたが、本書は前々から見聞きしていたタイトルで、たまたま行った書店で手に取ってパラパラと流し読みした際に「これは読むべきでは?」と思い購入。
読み終わって、やっぱり自分の勘は間違っていなかったと確信した。
中身はいわゆる「リスク分散した上で低コストな投資信託を長期保有しましょう」という王道を説いた本だが、その中でもよくある疑問にも答えを提示した上で最適な投資プランを提示している。
回答を提示している疑問の例をいくつか挙げておこう。
・まとまったお金がある場合は一括投資した方が良いのか?
・バランスファンド(株式と債券が一体になったファンド)は選択肢としてありなのか?
・証券会社、運用会社、信託銀行が倒産しても大丈夫なのか?
・全世界銘柄の「日本含む」と「除く」はどちらがベターか?
また、本書は2022年1月現在の社会情勢を十分に加味した内容であること。
(ロシアのウクライナ侵攻よりは前だが。)
新型コロナウィルスの蔓延による株価下落(コロナ・ショック)や、2024年の新NISA移行にも触れ、これらを踏まえた上で最適な投資方法を提示している。
特にNISAについては、新制度移行の前年である今年にNISAを始めようか考えている人に1つの方針を示してくれている。
(自分は本書の内容を加味した上で一般NISAでの投資を開始した。)
そして最大の特徴は、著者たちの結論が一本化され、投資対象のファンドも1つに絞られている点である。
初版と第2版では、1つの問題に対して2人の著者で見解がわかれることがあったようだが、本書においてはそういったことは一切ない。
その上で、本書では投資すべきファンドを1つに絞り「これだけに投資しておけばよい」と最もシンプルなプランを提案している。
このファンドは比較的最近に登場したものであり、このファンドが出る前は基本的に複数のファンドに投資する方法が採用され、定期的なリバランスが必要だった。
しかし本書の方法では投資するファンドを1本に絞る、つまりリバランスが不要になるため、真の意味での「ほったらかし投資」により近づくことになる。
正確には「これ1本で十分」と著者たちが胸を張って提示できるファンドがようやく登場したということなのだろう。
これを受けて自分もiDeCoでのポートフォリオをガラッと変え、本書が薦めるファンド1本に絞った。
(iDeCo開始が昨年7月で全然時間が経っていなかったため、ポートフォリオを大きく変えても影響が小さかったこともある。)
また個人的には、インデックス投資の歴史を垣間見ることができる特別鼎談の章が意外と勉強になった。
終わりに
本書のおかげで投資対象のファンドを一本化できたので、リバランスを考える必要がなくなったことは面倒くさがり屋の自分にとっては嬉しい進歩だった。
もう投資関連の本は読まなくても良いかと思っていたが、やはり何かしら新しい情報を得る機会を作らないとダメだと再確認できた。
今はTwitterである程度の情報には触れられるので、そこに変化を感じたときに深堀するようにしていこうと思う。
END
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