念願の…
夏季休暇も終わった8月下旬、1か月後の4連休を楽しみに会社に通っている中で、こんなツイートが目に飛び込んできた。
もうね、その日のうちにぴあライブストリームで配信チケットを購入したよ。
(ここから先、長い独り言なのでスルーでOKです。)
今から8年前、東京事変が解散する年にミュージックステーションでのパフォーマンスを観て、解散後にようやくその魅力に気づき始めるという、なんとも残念なタイミングで東京事変のファンになった。
「群青日和」「透明人間」「キラーチューン」「閃光少女」「新しい文明開化」・・・
アルバムは全部借りて、円盤(ライブBlu-ray)も買った。
Blu-rayを鑑賞しながら、もうこのパフォーマンスを生で観る機会はないのかと嘆いていた中で、年明けに飛び込んできた「再生」およびツアー敢行の一報。
生の彼らが観られるかもしれない・・・
高い倍率でほぼ落選確実だろうけど、絶対にツアーの申込だけはしようと意気込んでいた中で、今度はコロナ禍によるツアー中止。
このときほど、新型コロナウイルスを憎んだときはなかったかもしれない。
それでも「赤の同盟」の配信など、「東京事変」が「東京事変」として精力的に活動してくれているという事実、そしてそれをリアルタイムで体感することができる現実を嚙み締めつつ過ごしていた中でこのニュースだ。
最悪、円盤も作られない幻のツアーになるかもしれないと思っていただけに、この粋な計らいには感謝しかなかった。
画面越しでも構わない。
やっと、念願だったツアー参戦ができる…
かくして、この思いがけないプレゼントを糧に仕事を乗り切り、無事に配信日の9月5日を迎えることができたのである。
感想
まず全体の感想だが、とにかくセットリストが神だった。
いや、実を言うとセットリストは参戦前からある程度知っていたんだけど(完全には把握していない)、改めてライブという形で体感するとこのセットリストの凄みが半端じゃなかった。
個人的には間違いなく、今までの東京事変のライブの中で最強のセットリストだ。
以下、各曲感想。
1.新しい文明開化
2.群青日和
ハードディスクが起動され、順次メンバーがログインしていく。
システム起動音がけたたましく鳴り響き、突如起動音終了が終了すると、暗幕に「Starting incidents…」の文字が。
「Knock me out now.」
演奏、照明、そして暗幕が落ち、東京事変が姿を現す。
そこから先はやることは1つ。
身も心も画面の向こうの彼らに委ねるだけだった。
自分としては、この2曲が聴ければ大満足だった。
それだけに惜しむらくは、セットリストを知っていた状態でこのライブに参戦してしまったことだ。
セットリストを知らない状態でこの2曲が出てきたらどれだけ感動しただろう。
「新しい文明開化」は東京事変の中で一番好きな曲、そして「群青日和」は先述したミュージックステーション内で披露され、私が東京事変のファンになるきっかけを作った曲だ。
ほとんど間隔を開けずにこの2曲が披露され、ブレイクタイムに入った途端、私はすでにえも言えぬ満足感に浸っていた。
3.某都民
4.選ばれざる国民
静寂のブレイクタイムの中、突如響く機械音声。
「お待たせしました」
「お待たせしすぎたかもしれません」
「ニュースフラッシュへようこそ」
「東京事変です」
その後、キー上げで演奏されたのが「某都民」。
5つのスクリーンにメンバー名がそれぞれ表示され、歌唱時には歌唱しているメンバーのスクリーンの色が変化する仕掛け。
新規にファンになった人への配慮だろうか。
個人的には、刃田さんが時折見せるスティック裁きに惚れ惚れしてしまった。
「某都民」終盤にミラーボールが現れ、演奏終了後間髪入れず「選ばれざる国民」へ。
林檎さんのワン○○の歌い方が癖になる。
5.復讐
再び暗闇と静寂の中、静かに響き渡る浮雲のカッティング。
ステージが赤黒く彩られる中、わっちのリードギターが突如出現する幽霊のごとく響き渡る。
ただただ鳥肌。
イントロの時点でカッコいいがメーターを振り切っている。
そして、前方を睨みつけなが歌唱する林檎さんが時折見せる艶笑に、メーターの針が折れる。
圧巻はラスト。
嘆くように歌唱しながら見事「復讐」を成し遂げた林檎さんがマイクから離れる姿に、メーターが完全に破壊される。
この曲はお気に入りの1曲なのだが、そこそこコアな曲ゆえ「Spa and Treatment」で披露されてからはもう演奏されることはないんじゃないかと思っていただけに、今回の披露の嬉しさはひとしおだった。
6.永遠の不在証明
7.絶体絶命
8.修羅場
9.能動的三分間
10.電波通信
ブレイクタイムの後、新曲「永遠の不在証明」へ。
後ろに回転灯が列をなし、赤いハットで顔を覆いながら歌唱する林檎さんが逐一色っぽい。
曲が終わったその流れで、わっちが聞き覚えのあるピアノのフレーズを奏でる。
キーが下がっているがすぐに「絶体絶命」だと認識できた。
林檎さんのタンバリン裁きに見とれている内に曲が終わり、「ウルトラC」と同じアウトロへ。
一瞬「ウルトラC」と同じ流れで「遭難」が脳内で再生されたが、それを次曲「修羅場」が見事に掻き消す。
ハイライトはCメロの最後に林檎さんがしゃがみこんでからの間奏~大サビの流れ。
「復讐」のときもそうだったが、今回の林檎さんはこれまでよりも曲への感情移入が激しい気がする(気のせいか?)。
曲の終盤に差し掛かると、後ろのスクリーンにタイマーが表示され、曲の終了と同時に三分間のカウントダウンが開始。
今回はキー上げでの「能動的三分間」。
曲の最初で、林檎さんは上着を脱ぎ捨てて白いドレス姿に。
三分間が終了すると、間髪入れずスクリーンに「電波通信」の文字。
演奏も歌声も、8年前から何も変わっていない。
あのクオリティを8年を経ても保ち続けている姿を目の当たりにして、改めてこのバンドの凄みを感じる。
11.スーパースター
怒涛の名曲メドレーを終えてブレイクタイムに入り、しばらくするとわっちがピアノの音色を奏でる。
最初は何の曲かわからなかったが、音色やテンポから歌唱に入る前に「スーパースター」だと気づいた。
アレンジとしては「ウルトラC」を踏襲したものだが、アウトロが最後はわっちのピアノで終わる形に変更されていた。
12.乗り気
13.閃光少女
再び静寂の後、響き渡るシンバルの音から「乗り気」がスタート。
スクリーン映像、大サビ前の間奏で師匠、浮雲、わっちが正面へ移動、その後演奏が一度途絶えて林檎さんの舌打ちから歌唱開始といった、こちらも「ウルトラC」を彷彿とさせるパフォーマンス。
そして曲が終わって間髪入れず「閃光少女」へ。
作曲者ゆえか、師匠が映し出される場面が多かった印象。
そして相変わらずアウトロでの浮雲のギターフレーズが美しい。
14.キラーチューン
曲名が一発でわかる刃田さんのカウントでボルテージが上がる。
今回の「キラーチューン」は原曲キーでの演奏。
アウトロ以外は「ウルトラC」に寄せたアレンジ。
ぶっちゃけ、2番のBメロで林檎さんが歩き出してステージ正面に立ったときに、アウトロも「ウルトラC」に寄せて欲せてくれたら完璧と思ったが、実際は原曲そのままのアレンジで少し残念だった。
(我儘言うな。)
15.今夜はから騒ぎ
「ピン、リャン、ゲタ、ダリ」
このカウントが来たらもう「今夜はから騒ぎ」一択だ。
ここで林檎さんはベールつきの黒いハットと黒のワンピースに衣装をチェンジ。
この衣装、色気が半端じゃない。
間奏で林檎さんがタンバリンを叩きながら刃田さんと笑いあう場面が印象的だ。
16.OSCA
17.FOUL
そろそろライブも終盤か、というところでぶちかましてきたのがこの「OSCA」。
正直言って意表を突かれた。
この曲、間奏部分が各メンバーのソロパートが順番に繰り広げられるようになっていて、メンバーの個人技を拝めるようになっているのだが、なぜかわっちのパートがキーボードの単音で終了。
一瞬「機材トラブルか?」とも思ったが、その後は普通に演奏を続けていたためわざとやったようにも見える。
これはどこかで真相を知りたい。
師匠のベースソロは、今回は無し。
お約束の「OSCA」と叫ぶ場面では、林檎さんが拡声器を観客席に向けてくれた。
そして怒涛の大サビが終わった瞬間に響き渡るラッパ。
鉄板の流れで「FOUL」へと続く。
なんか、この2曲はもう1曲で良いんじゃないかとさえ思えてくる。
視聴後に改めて、この場に他の観客と一緒にいたら絶対盛り上がっただろうなと思う。
18.勝ち戦
アルバム「スポーツ」の名曲「勝ち戦」。
「Bon Voyage」のときのような華々しさは薄れているが、個人的には「ウルトラC」含め、今回の原曲に忠実な演奏の方が好きだ。
曲のラストの一節は聴く度に噛み締める一節だ。
ただ今回は事情が事情なだけに、このフレーズは東京事変の「過ぎたものは仕方がない。今を全力で生きるのみ」という決意表明のように思えた。
19.透明人間
静寂の中響き渡る、わっちのピアノ。
最初は何かわからなかったが、直後のメロディですぐ「透明人間」と気づいた。
8年前の解散ライブ「Bon Voyage」で大トリを務めた伝説的名曲。
今回のアレンジも「Bon Voyage」に近い形で演奏され、感動もひとしおだった。
願わくば一度でもいい、このアレンジで演奏する彼らの姿を生で観てみたい。
20.空が鳴っている
2020年ライブのラスト、20曲目は「空が鳴っている」。
メンバーに直に当てるのではなく、上からステージに降り注ぐように当てられた照明の中で、メンバー5人が存在感を淡くさせて演奏する。
「透明人間」までは確実にその場に存在していた5人が、この曲をもってステージから退くことを暗示するような、今回はそんな演出に思えた。
そしてアウトロに差し掛かると、スモークがたちまち5人を包み込み、ステージ全体に漂うスモークにフラッシュする照明が反射する中で演奏がフェードアウト。
スモークが晴れると、5人の姿は幻のごとく消えてしまった。
各曲の感想は以上である。
途中何を書いているのかわからなくなってしまっている部分もあるが、とにかく大満足、この一言に尽きる。
改めてセットリストを眺めてみると、これぞ「東京事変」という曲だけを集めて凝縮した、非常に高濃度のセットリストだった。
ファン歴の短い人にとっては入門編、古参ファンにとっては復習編にもなる、「再生」にはうってつけのセットリストに思う。
終わりに
今回は無観客のため歓声が無ければ拍手も無い、当然のことながらMCも無い。
視聴前は楽しめるのか正直不安だったが、不要な心配だった。
東京事変がいつまで活動を続けてくれるのかはわからないが、このコロナ禍が収まりを見せ、新たにツアーが敢行されるなら、今度は絶対に生で参戦したい。
東京事変の皆さん、改めて、本当にありがとうございました。
僭越ながら、お願いが1つ。
今回の映像を是非円盤化して頂きたく存じます。
必ず買います。
END
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