前回
にて、漢検2級に合格したことを報告した。
本記事では、合格するまでに私が実際に行った勉強について書く。
漢検2級の問題構成
ここで、後に必要になる知識として漢検2級の試験問題構成について触れておく。
すでに知っている人は飛ばしてもらって構わない。
第1問:読み
短文の中で線が引かれた漢字の読みを答える。
2級レベルだと普段から読み慣れている漢字が多く、満点を狙いやすい。
全30問で1問1点。
第2問:部首
出題された漢字の部首を答える。
当てずっぽうでもそこそこ当たるが、8割目指すならちゃんと勉強することが必要。
全10問で1問1点。
第3問:熟語の構成
二字熟語を構成する漢字の関係(同義、対義、修飾など)を答える。
それぞれの漢字一字がもつ意味をしっかり把握していないと解けない。
全10問で1問2点。
第4問:四字熟語
出題される四字熟語の半分が空欄になっており、そこを埋める。
また、出題された意味に合う四字熟語を選択する。
おそらく、2級の中で一番の鬼門。
最初は知らない四字熟語のオンパレードで面食らった。
書き問題は全10問、選択問題は全5問でともに1問2点。
第5問:類義語・対義語
出題される熟語の類義語または対義語を答える。
ヒントとして、解答すべき熟語の読みがなが掲載されており、そこから解答する。
これは知っているようで意外と知らなかったり、わかるけど書けなかったりする。
類義語を答える問題が5問、対義語を答える問題が5問の全10問で1問2点。
第6問:同音・同訓異字
2つの短文がセットになっており、各文中にある同じ読みのカタカナの部分を漢字に直す。
個人的には、片方はわかるけどもう片方を知らないというパターンが多かった。
全10問で1問2点。
第7問:誤字訂正
出題される文中に誤った使い方をされている漢字を見つけ、正しい漢字に訂正する。
あからさまなものから気づきにくいものまで難易度は幅広い。
一度見逃すと、まず気づかない。
全5問で1問2点。
第8問:送りがな
出題される文中のカタカナの部分を、送りがなつきで漢字に直す。
実際に勉強するとなかなか覚えられず、個人的には一番苦労した問題。
全5問で1問2点。
第9問:書き
出題される文中のカタカナの部分を漢字に直す。
基本、この書き問題が答えられるようになれば、他の問題もだいたい解ける。
全25問で1問2点。
以上全120問が出題され、200点満点で採点される。
合格点は検定回によって異なるが、8割が1つの目安である。
使用した教材
対策を開始して1か月間はひたすら「カバー率測定問題集 漢検マスター2級」(以降「カバー率」)で勉強し、直前の2週間は過去問題集で演習を重ねた。
そしてぶっちゃけ言うと、私の場合は2級に合格するだけなら「カバー率」1冊だけで十分だった。
というのも、「カバー率」で1か月間勉強した直後の演習結果がこんな感じだったためである。
すべての過去問で170点越え。
対策開始前の演習結果が130点台だったことを考えると、40点の点数アップである。
この時点で受検してもよかったのだが、せっかく過去問を買ったのに使わないのはもったいないという貧乏的思考が先行した。
そこで、2週間ひたすら演習と間違えた問題の復習を繰り返した結果、前記事の通り初の190点突破での合格を果たしたわけである。
対策開始から1ヶ月間の勉強法
さて、私は対策開始から1か月間は「カバー率」のみで勉強を進めた。
その勉強の仕方だが、その前に「カバー率」の構成について紹介する。
「カバー率」では、掲載されている問題がA,B,Cの3つのランクに分かれている。
ただしこれは難易度ではなく、試験における出題頻度で分けられている。
具体的には
Aランクのみ ⇒ 合格点(8割)
Bランクまで ⇒ 9割獲得
Cランクまで(全ランク) ⇒ 満点狙い
といった感じだ。
つまり、合格するだけならAランクの問題だけ勉強すればよいわけである。
(「だけ」と言っても、Aランク問題だけで参考書の半分を占めているため、問題数はかなりこなすことになる。)
本当にAランク問題だけで十分なのか?
と思うかもしれないが、現に私はAランク問題をほぼ完璧に仕上げた結果、過去問演習で170点以上を連発できるようになった。
厳密にはBランク、Cランク問題にも手を付けてはいたがそれまでで、仕上げるどころか解いていない問題の方が多い。
Aランク問題に、合格のための重要問題が集約されていると考えて間違いないと思う。
私が実際にAランク問題に取り組む際に実施した勉強法が下記である。
- 1回分 (見開き2ページ分)の問題のみ、紙に実際に解答を書いて解く。
解き進める中で、勘で答えた問題には△印をつける。 - 答え合わせをし、間違えた問題には✓マークをつける。
- 間違えた問題の復習をする。
(書き問題なら自信がつくまで書き取り練習をするなど。) - 間違えた問題のみ、すべて正解するまで解き直す。
- 解き直しが終了したら、別の種類の問題の1回分の問題に上記と同じ要領で取り組む。
(具体的には、読み問題をやったら次は部首問題に取り組むといった感じ。) - 上記の要領でAランク問題を1周したら、2周目は間違えた問題のみを対象に上記と同様に問題に取り組む。
ここで正解した場合は、✓マークを囲むように〇印をつける。
再び間違えた場合は、✓マークに\をつけて×印にする。 - Aランク問題の2周目が終了したら、3周目は全問題を赤シートで解いて確認する。
(紙に書く必要はない。)
上記の方法で3周目までやると、だいたいどの回でも9割解けるようになった。
勉強時間に関しては、私は1日に30分は必ず確保し、解けるところまで解くようにしていた。
(会社に「カバー率」を持ち込んで、始業前の30分で勉強していた。)
これだけでなく、基本的に外出時は「カバー率」を携帯し、電車移動などの隙間時間に勉強するようにした。
以上が、私が対策開始から1ヶ月かけて実施した勉強法である。
直前の2週間の勉強法
「カバー率」で勉強を開始して1か月後、過去問で問題演習をすると170点を超える点数を出せるようになったため、過去問題集で演習を進めることにした。
基本的に1日に1回分の問題を解き、解けなかった問題をピックアップして復習し、間違えた問題をExcelに表にしてまとめる作業を繰り返した。
またその間「カバー率」も、読み問題と部首問題はBランクとCランクの問題をすべて解き、Aランクも含めて解けなかった問題をExcelの表にまとめて見直すようにした。
四字熟語と書き問題に関しては、Aランクで間違えた問題のみExcelで表にまとめたものを印刷して手元におき、手軽に見られるようにしておいた。
そして試験当日のお昼、上記で作成したExcelの表を印刷したものを見ながらご飯を食べ、試験に臨んだ。
その結果は、先述した通りである。
以上が、私が2級受検に際して実施した勉強法である。
より効率よく合格するには?
いや、こっちは1ヶ月も勉強する時間がないんだ。
もっと短い勉強時間で受かるには問題の取捨選択が必要だ。
捨ててもいい問題はないのか?
2週間の過去問演習の感触からすると、四字熟語と部首はそこまでできていなかった(5割程度)が、毎回170点以上はとれていた。
(他の問題はだいたい9割を確保していた。)
本音を言えば、捨て問題云々は考えずどの問題にもちゃんと取り組んでもらいたいところである。
また、確かに私は1ヶ月かけて勉強したが、1日の勉強時間はさほど長くないため、これらをまとめてしまえばもっと短期間で上記の勉強を終わらせることは可能だと思う。
私の1日の勉強時間の平均は、おそらく長く見積もっても1時間程度なので、1ヶ月半で45時間。
これを1週間で終わらせると考えると、1日に6.4時間。
2週間なら1日に3.2時間で終わらせることができる。
その時間も取れないのであれば、まずは1回分の過去問を解いてみて、自分の得意な問題と不得意な問題を把握した上で、不得意な問題を重点的に対策していくのが良いと思う。
終わりに
今回をもって、漢検2級受検の記録は終了である。
今後、漢検関連の記事を書くときは準1級の受検を決めたときになる。
おそらく勉強を開始するのは最短でも、単検の受検が終わる来年6月以降になると思う。
だが今回の受検で、私が生粋の漢字好きであることを再認識できたので、このまま受検せずに終わることはないと思う。
ひとまず今後は、来月の資格試験の勉強をしてどうにか乗り切りたい。
END
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