【書評】永井孝尚「世界のエリートが学んでいる教養書必読100冊を1冊にまとめてみた」

書籍

 長かった…

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概要

 マーケティング戦略コンサルタント・永井孝尚が送る、教養・リベラルアーツ100冊の解説書。

 年代は古典から現代に刊行されたもの、ジャンルは思想からサイエンスまで幅広く、現代に読んでおくべき教養書100冊についてその概要をまとめている。

 概要だけでなく、その本が誕生するいきさつや刊行当時の社会情勢などの背景にも触れており、よりその本を理解するための一助となっている。

レビュー

 総ページ数650超え。

 いわゆる「鈍器本」に分類される一冊である。

 1日1冊分を目安に読み続け、100冊に到達するまでに3か月を要した。

 だが、そこまで時間をかけてでも読む価値のある一冊だったと思う。

 

 現代のビジネスマンが読んでおくべき教養書100冊の概要がまとまった本書。

 タイパ重視の若い世代を読者層に想定して企画されたものだと思うが、それでも見た目のインパクトはすさまじい。

 ぱっと見の背表紙の厚さは辞書と遜色ないレベルである。

 そんな本でも読み切れたのは、内容が細切れであるのはもちろんだが、その明解な解説のおかげだ。

 本自体の概要だけでなく、その本が刊行された背景、著者の半生、社会情勢にも触れて本に対する解像度を引き上げている。

 正直、本の要約だけなら、教養人でなくてもその本を読めばできる話だが、それ以外の必要な背景まで触れられるのは著者の幅広い見識あってのことだろう。

 丸山眞男の「日本の思想」など、個人的には知っているが「難しい」というレビューを見て及び腰になっている本も紹介されており、いざ原著を読む際には一度本書を読み直した上で読むことで理解度を上げたいと考えている。

 

 また、難解な本に関しては原著だけでなく解説書を提示してくれているのもありがたい。

 いきなり原著に挑戦して挫折するルートを極力排除してくれている。

 

 またこれは完全に個人的な好みだが、解説に用いられているイラストのセンスがいい。

 ぜひお手本にしたい図解である。

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終わりに

 まさか自分が「鈍器本」と対峙し、読み終える日が来るとは思ってもいなかった。

 個人的には結構自信になった。

 とはいえ他にも挑戦してみたい鈍器本はあるが、一度書店で目を通してからかなあ。

 END

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