【書評】吉田裕「日本軍兵士」「続・日本軍兵士」

書籍

 軍隊のリアル。

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概要

 歴史学者・吉田裕による旧日本軍の兵士の実態を調査した結果をまとめた集大成本。

 これまでの軍事史の主な研究対象だった戦術面、政治面とは異なり、生活面、衛生面といった兵士の実情に迫る切り口から「旧日本軍兵士が体験した戦争」を明らかにする。

 また比較対象として連合国での兵士待遇にも触れ、日本軍の杜撰さ、それに起因する敗戦の必然性を浮き彫りにする。

レビュー

 前編は新書大賞を受賞した話題作で、個人的にも読んでみたかった一冊。

 ただ読みたいと思いつつ続編である後編が出るまで時間が経ってしまい、今日に至る。

 

 戦争もの、特に日本と連合軍が戦った太平洋戦争関連には興味がもともとあり、それなりに本やYouTube動画を見てきたが、この2冊は今まで自分が読み、見てきたものとは違う切り口で戦争を捉えており、かなり新鮮で知的好奇心がくすぐられた。

 そして読み終えてますます、日本は負けるべくして負けたということを実感した。

 結局「人を大事にしない組織は滅びる」ということだ。

 

 「戦死」で一括りにされて埋もれた「戦病死」と「餓死」。

 「処置」という名の戦傷者の殺害。

 戦争に耐えられない心身を持つ者の徴兵。

 おざなりにされた栄養学。

 粗悪になっていた被服と装備。

 日本軍兵士による日本軍兵士への略奪。

 野戦病院での詐病、徴兵検査での徴兵逃れ。

 兵士の過剰な負担、労働、そして犠牲の不平等。

 

 読みながら呆れで出たため息は数知れず。

 著者は本書の中で、一部界隈の、例えば「日本軍兵士は勇猛果敢だった」などといった「戦争美化」に対して警鐘を鳴らしている。

 私自身、旧日本海軍の艦船に興味を持ったことが太平洋戦争探求のきっかけだったため、導入としては正直褒められたものではないだろうが、だからこそ戦争を美化する方向へは間違っても向かわないよう気を付けたい。

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終わりに

 戦後80年が過ぎてしまい、俺の身近での戦争体験者はほとんどいなくなった。

 母方のばあちゃんはまだしっかりしてるから、子どもが大きくなったら昔話をしてほしいと思っている。

 父方のじいちゃんばあちゃんにももっと話聞いとくんだったなあと後悔するこの頃だ。

 END

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