【書評】梯久美子「戦争ミュージアム―記憶の回路をつなぐ」

書籍

 実際に自分の目で見なければ。

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概要

 ノンフィクション作家・梯久美子が送る戦争を主題に据えたミュージアムの紀行エッセイ。

 各ミュージアムを実際に訪れ、館内外の様子、展示の詳細等をレポートする。

 またミュージアムの管理人、ミュージアムのテーマに関連する人々への取材も敢行し、展示の裏に隠された物語や、関係者の思いを綴る。

レビュー

 戦争に関する施設の有名どころというと、パッと思いつくのは靖国神社、広島の原爆ドームと平和記念資料館、大和ミュージアムあたりだろうか。

 自分は広島の2つには実際に行ったことがある。

 日本人として一度は見ておくべき場所だろうと、大学院生のときに一人旅で見に行った。

 あとは横須賀にある記念館三笠。

 三笠は単純に戦艦好きが高じて見に行っただけ。

 

 本書が紹介しているミュージアムは、どちらかというとマイナーなテーマに立脚したものが多い。

 自分はこの時期の歴史は結構勉強していて大体は知っていたが、戦争マラリアは知らなかった。

 だが、各ミュージアムに展示されている資料の向こうには、それぞれの品に所縁があった人に、それぞれの戦争があったことを教えてくれる。

 マイナーと区分けしてしまうことそのものがおこがましいのだろう。

 一度読んだら、一度実際に足を運んで自分の目で確かめたくなる。

 

 個人的には、終盤の戦争に関するインターネット上のアーカイブ情報が役立った。

 ここの情報を使えばかなり詳しいことまで調べることができる。

 軽く見てきたが、気を付けないと一日二日はゆうにもって行かれそうだ。

 

 ただ個人的には、展示物を見た著者の感想が綴られてる箇所は不要だったと思う。

 もう少し各ミュージアムの背景やそれに関する補足説明、関係者への取材を盛り込んでほしかったところ。

 まあガイドブックではないから、と言われればそれまでではあるが。

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終わりに

 靖国神社と大和ミュージアム、長崎原爆資料館は個人的に必ず行っておかないといけないと思っている。

 今はできないが、子どもが大きくなって戦争について勉強し始めた段階で、一緒に訪れるのが良いかもしれない。

 リタイアして自分で自由に使える時間が多くなったら、北海道から徐々に南下して日本一周しながら自分が行きたかったところへ行く、というのをやりたい。

 その際に戦争に関する施設も制覇したいと思う。

 END

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