【G検定】ソフト開発未経験の自分が2021#1に合格するまで

AI・機械学習

 これまでいくつか同時並行で進めていたタスクの1つであるG検定が終了した。

 G検定とは、JDLA(日本ディープラーニング協会)が主催する、AI(人工知能)に関する基礎知識を問う検定試験である。

 AIエンジニアの登竜門として位置づけられているが、将来を見据えて今回ソフト開発未経験の自分も受験し、無事合格することができた。

 本記事では、ソフト開発未経験の自分がG検定に合格するまでの勉強法や使用した書籍、試験当日の様子等を記録していく。


G検定とは

 下記に、G検定の概要を示しておく。

① AIに関する網羅的な知識を有しているかを判定する。
② 近年開始された検定だが、受験者は増え続けており、その職種も多岐に渡る。
③ 多肢選択式問題200問ほどを120分で解答する。
④ 自宅受検が基本で、試験中に不明な事柄を調べることが出来る。

 

① AIに関する網羅的な知識を有しているかを判定する。

 G検定の「G」は「ジェネラリスト(Generalist)」を意味する。

 すなわち、機械学習やディープラーニングに代表される、AIに関する網羅的な知識を有しているかを判定する検定である。

 その範囲はAIの歴史に始まり、各学習法の概要、具体的なアルゴリズム、実用例、国際動向、法律、倫理等、実に多岐に渡る。

 

② 近年開始された検定だが、受験者は増え続けており、その職種も多岐に渡る。

 2017年からスタートした比較的新しい検定試験だが、近年のAI技術の進歩と世界的な実用の拡大を受けて、その受験者数は指数関数的に増えている。

 受験者もプログラマーに特化しているわけではなく、事業へのAI導入を目指す経営者や、マーケター、営業職、研究職、生産技術職、学生等、幅広い職種の人が受験している。

 

③ 多肢選択式問題200問ほどを120分で解答する。

 問題形式は多肢選択式であり、200問ほどの問題を120分で解答する。

 感覚が掴みづらいと思うが、1問あたりで換算すると、1問あたり0.6分、すなわち全問解答するためには1問を36秒のペースで解答し続けなければならない。

 選択形式なので知っている知識問題なら数秒で解けるが、計算が必要な問題や、出題文がかなり長い問題もあるため、解答はできても1分以上時間を費やすこともザラにある。

 

④ 自宅受験が基本で、試験中に不明な事柄を調べることが出来る。

 そしてこの検定の、おそらく最も重要な特徴が、自宅受験が基本で、不明な事柄を調べることが可能である点だろう。

 そもそも、G検定では検定専用の会場を設けていない。

 つまり、インターネットが接続できる環境があればどこでも受験でき、書籍やインターネットで調べながらの解答が可能なのだ。

 

 しかし本番中に調べられるからと言って、試験対策を全くしないのはお勧めしない。

 先述した通り、問題数に対して解答時間が短いため、全ての問題を調べながら解答していたのでは間違いなく途中で時間切れになる。

 逆にしっかり対策をして、知っていれば答えられる問題の数を多くしておけば、わからない問題の調査や、解いた問題の見直しにより時間を割くことができる。

 そもそもAIに関する網羅的な知識の有無を判定するわけだから、調べれば受かる検定にしてしまっては意味がないわけで、この問題数に対する時間設定はむしろ必然と言えるだろう。

勉強開始前のピクトのスペック

 ここで、G検定の勉強を本格的に開始する前の私ピクトのスペックを示しておく。

・機械学習の知識有
・数学の知識有
・ソフト開発未経験

 

・機械学習の知識有

 会社の通信講座で、Pythonでのコーディングを含む機械学習の入門講座を受講していた。

 そのため機械学習に関しては、その種類やアルゴリズムを含めある程度の事前知識はあった。

 

・数学の知識有

 大学で物理を専攻していたため、微積分、行列、統計に関する数学は一通り勉強した経験があった。

 微積分と行列は問題なかったが、統計の記憶が曖昧だったため簡単に復習した程度。

 

・ソフト開発未経験

 私自身が担当する業務は製品開発が主であり、ソフト設計や開発の経験は全くない。

 業務を円滑に進めるために、PythonやVBAで個人的にプログラムを組むことがある程度である。

 Cに至っては、大学の講義で勉強して以来全く触っていない。

勉強方法

 今回受験したのは2021年3月20日開催の2021#1。

 試験勉強を本格的に開始したのは1月初旬なので、試験勉強期間は2か月半ほどだ。

 

 勉強する際に購入した書籍は下記の4つ。

公式テキスト

赤本

青本

問題集

 

 これらを用いて試験勉強を下記のように進めた。

ステップ1:インプット

期間
1月初旬~1月下旬

手順
① 1週目:公式テキストを読み終える。
② 2週目:青本を読み終える。
③ 3週目:赤本を読み終える。

ルール
・1週間で1冊を読み終える。
・1冊を7等分したページ数は1日で必ず読む(超過は可)。
・2,3回読み直しても理解できない部分は飛ばして次に進む。

 まず、勉強開始から3週目まではひたすらインプットに努めた。

 特に意識したのは、理解できない部分を飛ばしてでも書籍を読み切ることである。

 同じ項目の説明でも書籍によって表現の仕方が異なるし、「別のテキストの説明だと理解できた」なんてことはザラにある。

 もし自分なりに理解しやすい表現や説明を見つけたら、メモを取ってまとめる、付箋を貼るなどしてすぐ確認できるようにしておくと良いだろう。

 

ステップ2:問題集でのアウトプットと復習

期間
1月下旬~受験申込期日(2021#1では3/12)の数日前

手順
① 問題演習1周目。
② 1周目で間違えた問題、まぐれで正解した問題、解答に自信が無かった問題の解説を読み、ノートにまとめる。
③ 問題演習2周目(①を再度実施する)。
④ 2周目でも解けなかった問題、まぐれで正解した問題、解答に自信が無かった問題の解説を読む。

ルール(すべて問題演習時のもの)
・解き進めながら、解答に自信がない問題に△印をつける。
・答え合わせは章ごとに実施し、解説は読まない。
・間違えた問題、まぐれで正解した問題に✓をつける。
・1週間以内に全て一通り解く。

 テキスト3冊を読み切ったら、問題集でのアウトプットに入る。

 解説を読んでも理解できない場合は、他の書籍の解説を参照したり、インターネットで調べたりした。

 まとめノートに関しては、紙のノートではなく本ブログの下書きで作成し、受験当日に参照できるようにした。

 まとめノートは自分のやりやすい方法を選べばよいが、試験で参照するならPCのドキュメント形式で作成した方が良いだろう。

 

ステップ3:無料模擬試験でのアウトプットと復習

期間
受験申込期日(2021#1では3/12)の数日前~試験前日(3/19)

手順
① 下記2つの無料模擬試験のうち片方を受ける。
  (順番はどちらでもよい。いずれも初回は会員登録が必要。)

② 間違えた問題を復習し、まとめノートにまとめる。
③ 2つ目の模擬試験を受ける。
④ 間違えた問題を復習し、まとめノートにまとめる。

 最後にインターネット上の無料の模擬試験を利用し、実践に近い形式で演習した。

 私自身の結果はというと、見直しなしで
 ・1回目:Study-AI 正答率74%
 ・2回目:DIVE INTO EXAM 正答率91%
であり、いずれも30分ほど時間が余る状態だった。

 1回目の模擬試験は、受験申込期日の数日前に受け、実際に申し込みをするか否かを決める判断材料とした。
 私の場合は、30分ほど時間を余らせた状態で正答率74%だったため、30分以内でわからなかった問題を調べて解答すれば80%まで正答率が上げられると踏み、申し込みを決めた。

 問題内容はさておき、実践に近い形式での演習は、時間感覚の確認、検索および参照の練習、実践練習ならではの課題の発見など多くのメリットがあるため必ずやっておくべきだろう。

 例えば私の場合、1回目の模擬試験で「当てはまらないものを選べ」という問題文に全く気づけず、解答時に全て当てはまるものを選んで誤答してしまった。

 もしぶっつけ本番で挑んでいたら、上記と同じミスを犯して不合格となっていたかもしれない。

 また、検索ウィンドウを表示するショートカットキー「Ctrl + F」を使う練習もここでやっておくと良い。

 

 以上が試験本番までに実施した勉強方法である。

 最後に、試験本番の数日前にKindleでAI白書2020を購入し、試験時に参照できるようにした。

 AI白書にはAIの技術的、社会的動向の最新情報がまとめられており、実用例や国際動向、法律関連の問題はここから出題されることが多い。

 私自身は時間的余裕がなくてできなかったが、可能であれば精読まではいかなくとも一通り流し読みしておくと良いだろう。

試験当日

 ここでは2021#1の試験日当日の様子を書いていく。

 試験当日は、試験開始時間(13:00)の10分前(12:50)に受験専用サイトにアクセスできるようになる。

 実際には試験自体も10分前から開始でき、私は13:00前には試験をスタートさせていた。

 

 当日のパソコン画面には
 ・試験用のブラウザウィンドウ
 ・検索用のブラウザウィンドウ
 ・まとめノート用のブラウザウィンドウ
 ・AI白書を表示したKindleウィンドウ
を開き、それ以外のウィンドウは全て閉じた状態にした。

 

 そしていよいよ試験開始。

 試験中は
 ・「当てはまらないものを選べ」の問題に注意すること
 ・わからない問題は適当に解答してチェックを付け、次の問題に進むこと

の2点を肝に銘じて解答を進めた。

 試験では問題ごとにチェックを付けることが可能で、後でチェックを付けた問題を後で一気に見直せるようになっているため、その機能をフルに活用した。

 

 確実にわかる問題を解答し、わからない問題を適当に解答してチェックをつけてひたすら進め、一通り解き終わって残り時間を確認すると、残りは約15分。

 問題一覧を確認し、チェックが付いた問題の数をざっと確認すると、全体の3割ほどにチェックがついている。

 

 率直に「ヤバい」と思った。

 

 ここからは時間が許す限りひたすら検索と参照。

 ここで、調べても時間がかかりそうだと踏んだ問題は思い切って飛ばし、すぐに答えが見つかりそうな問題だけを着実に調べて解答していった。

 多分この判断が合否を分けたのではないかを睨んでいる。

 この見直しを15分フルに使って実施し、実際に見直せたのはチェックが付いた問題の半分ほどだった。

2021#1の所感

 さて、実際にG検定2021#1を受けた上での所感をいくつか示す。

 問題数は191問。
 これは前回の2020#3と同じ問題数である。

 200問を下回っているから時間的余裕はあったかと言うと、先述の通り全く余裕はなかった。

 

 まず、法律問題のレベルが上がっている。

 問題集や模擬試験では法律名や法律用語の穴埋め問題がほとんどだったが、今回の試験では法律用語の正確な理解を前提として、それにあてはまる具体例を選択させる問題が多かったように思う。

 特に今回の試験では「営業秘密」というワードが目についた。

 

 また、アルゴリズムの本質を問う問題も多かったように感じた。

 これは最近のG検定の傾向でもあるので、ある程度は想定済みだった。

 

 そして意外だったのが、AI白書が役に立つ場面が全くと言っていいほどなかったことである。

 私の使いどころが悪かっただけかもしれないが、「これはAI白書に載っているかもしれない」と思って検索をかけてもノーヒットというオチで、実際に問題を解く上でAI白書に救われた場面はなかった。

 もしかしたら、最後の見直しが出来なかった問題で使う場面があったのかもしれない。

合格発表

 合否を知らせるメールは、試験日から12日後の4/1に届いた。

 感触が感触だったのでダメだった場合の覚悟はしていたが、「合格」の2文字を見てかなりホッとした。

今後のG検定

 実は合格発表の3日前の3/30に、JDLAがG検定に関する結構重大な発表をしていた。

 今年7月開催予定の次回試験2021#2から、G検定のシラバス、すなわち出題範囲が改訂されるという。

 詳細は4月下旬に公表されるが、

「データ×AI」の活用を企画・推進する上で重要となる、AIプロジェクトの企画や推進、評価に関する項目等を組み込み、より実践的内容を充実させる

と発表されており、よりビジネスに関連づいた問題が新たに出題されると考えられる。

 

 2021#2以降の受験を考えている人は、まずは4月下旬公表予定の新シラバスを必ず確認し、その上で方針を練るべきだろう。

 ちなみにJDLAが監修している公式テキストは、今回のシラバス改訂に対応した第2版が4月下旬に販売予定となっている。

 個人的に興味はあるので、販売されたら書店で立ち読みし、必要に応じて購入するか決めようと思う。

終わりに

 今回のG検定、勉強期間2か月半での受験は時期尚早かと思ったが、思い切って受験した甲斐があった。

 G検定はAIに携わる全般の人を対象にしているが、同じくJDLAが主催する資格試験にE資格というものがあり、これはAI構築技能の有無を判定するエンジニア向けの試験になる。

 現在このE資格は、JDLAの認定プログラムを受講しないと受けられないようになっているが、後々必要性を本格的に実感し始めたら勉強を始めようと思う。

 問題集は出ているので、書店で流し読みくらいはしてみるか…

 

 END


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