下記記事にてExcelマクロの導入し、基本事項について解説した。
今回は実際に具体例を用意して、マクロの記録機能を使ってマクロを作成する方法を示す。
今回作成するマクロ
今回作成するのは、整形前のテーブルデータの体裁を整えて見やすい表を作成するマクロ(プログラム)だ。
具体的には下図のように、セルごとに区切られていない生データを、セルごとに区切って表を作成して整形するマクロを作成する。
マクロの作成手順
下記にサンプルデータと完成版マクロを用意したので、実際に手を動かしてみたい人はダウンロードしてもらいたい。
① 生データのExcelファイルを開く。
「Excel_Macro_Sample_1.zip」には2つの生データファイル「data1.xlsx」と「data2.xlsx」があるので、どちらか一方を開く。
② ①で開いた生データファイルとは別に、新規でExcelブックを開く。
③ ①で開いたExcelファイルの生データ部分をコピーし、②で開いた新規Excelブックの2列目以降に貼り付ける。
下図ではA2セルに先頭のデータを貼り付けている。
④ 新規Excelブックの「開発」タブをクリックし、「マクロの記録」をクリックする。
⑤ 下図のウィンドウが表示されるため、マクロ名を決め、保存先を「作業中のブック」に設定して「OK」ボタンをクリックする。
⑥ マクロの記録が開始されるため、Excelを実際に操作して表を作成する。
作成する表の表式は自由である(サンプルの表式に縛られることはない)が、下記にサンプルの表の作成手順を示しておく。
① A2~A12セルを選択する。
② 「データ」タブをクリックし、「区切り位置」をクリックする。
③ 下記ウィンドウが表示されるので「コンマやタブなどの区切り文字によってフィールドごとに区切られたデータ」にチェックを入れて「次へ」をクリックする。
④ 下図の表示になったら「コンマ」にチェックを入れて「完了」をクリックする。
⑤ データがセルごとに分けられるので、各データの先頭行にデータ名を入力し、データ名とデータが入力されているセルを全て選択する。
⑥ 罫線を設定するボタンの横の下矢印ボタンをクリックし、「格子」をクリックする。
⑦ 各データの先頭行(A1~A3セル)を選択し、再度罫線を設定するボタンの横の下矢印ボタンをクリックし、「下二重罫線」をクリックする。
⑧ 各データの先頭行(A1~A3セル)が選択されたままの状態で「太字」をクリックする。
⑨ 各データの先頭行が太字になり、表が完成する。
⑦ 表を作成したら「開発」タブをクリックし、「記録終了」ボタンを押す。
⑧ 「マクロ」ボタンをクリックし、「表の作成」マクロが保存されていることを確認する。
以上でマクロの作成は終了である。
マクロを実行するには、手順⑧で表示したマクロの一覧ウィンドウの「実行」ボタンを押せばよい。
また、作成したマクロの中身を見るには、「Visual Basic」ボタンをクリックしてVBEを立ち上げ、右のメニューの「VBAProject (ブック名)」⇒「標準モジュール」⇒「Module1」と開けばよい。
今回はここに書かれているコードをいじることはしないが、今後はこのエディターに直接コードを打ち込んでマクロを作成していくことになる。
マクロ実行ボタンの設置
マクロを実行するには、マクロの一覧ウィンドウの「実行」ボタンを押せば良いが、毎回一覧ウィンドウを表示させるのは面倒である。
シート上にマクロを実行するボタンを設置することで、マクロを実行する手間を軽減することが出来る。
マクロを実行するボタンの設置は、下記要領で行う。
① 「開発」タブの「挿入」ボタンをクリックし、「フォームコントロール」の「ボタン」をクリックする。
② カーソルのアイコンが十字に変わるので、シート上でドラッグして任意の形の長方形を作る。
③ 下図のウィンドウが表示されるので、ボタンに登録したいマクロを選択し「OK」をクリックする。
④ ボタンがシート上に設置されるため、ボタンの上で右クリックし「テキストの編集」をクリックする。
⑤ テキストを任意に編集する。
以上でボタンの設置は終了だ。
シート上の表を削除し、もう一度同じ場所に生データを貼り付けてボタンを押せば、同じ表式で表が作成される。
マクロの保存
マクロを含むExcelファイルを保存する際は、通常の拡張子「xlsx」ではなく「xlsm」という拡張子で保存される。
この「xlsm」以外の拡張子で保存すると、作成したマクロが消えてしまうので注意が必要だ。
以下、マクロを含む編集をした新規Excelブックを保存する手順を示す。
① 「ファイル」タブをクリックする。
② 「名前を付けて保存」をクリックする。
③ 「参照」をクリックする。
④ 「名前を付けて保存」ダイアログボックスが表示されるので、「ファイルの種類」から「Excel マクロ有効ブック(*.xlsm)」を選択する。
⑤ ファイル名を任意に設定し、任意の保存場所を指定して「保存」ボタンをクリックする。
⑥ 保存先のフォルダを表示し、拡張子が「xlsm」のExcelファイルが保存されていることを確認する。
終わりに
マクロの記録機能の使い方、マクロの実行の仕方、保存の仕方等の基本事項に関しては本記事で大方説明できたと思う。
次回からは実際に私が作成したマクロを紹介し、コードの詳細を解説していこうと思う。
※追記
VBEでのコードの書き方および簡単なマクロの例について解説。
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