久々に投資関係の本の書評。
きっかけ
この本、投資を始めた去年の7月頃に下記2冊と同時に購入したもの。
一度はとっくに読み終えてはいたものの、消化不良のまま読み終えてしまったため2周しようと決めてはいたのだがなかなか読み始める気になれず半年たってようやく重い腰を上げた、というのが今である。
概要
現代社会の先行きに不安を抱え、懐疑的になっている「臆病者」を対象に、経済の仕組みや資産運用の基本を説いた一冊だ。
ただこう言っては何だが、入門書と言えど、本当の初心者が読むには結構ハードルが高い。
ある程度基本的な部分は勉強した上で読む方が、内容を消化できると思う。
実と言うと、私自身も内容を全て理解しきれていない。
だが根本的な考え方は、上で紹介した2冊と同じだったため、本の選択に間違いはなかったと確信できた。
以下、各章ごとに私が理解しきれた分をアウトプットし、それに私自身の見解も加えていこうと思う。
(本書は全7章構成。)
1章
1章は資産運用を始める前に知っておくべき内容が書かれている。
まず、人が持つ総資産を次式のように定義している。
総資産 = 収入 – 支出 + (資産×運用利回り)
橘玲「臆病者のための億万長者入門」
この総資産が億単位で潤沢であれば、億万長者ということになる。
その上で、著者は純資産を増やす方法、すなわちお金持ちになる方法は3つしかないと説いている。
①収入を増やす
橘玲「臆病者のための億万長者入門」
②支出を減らす
③資産を上手に運用する
まあ上の定義式を見れば、当たり前っちゃ当たり前だ。
順番が前後するが、②から見ていく。
②については、一言で言えばに「倹約しろ」ということだ。
たとえ年収1000万円でも、贅沢三昧で支出がかさんでしまっては総資産は増えず、永久に億万長者にはなれない。
(事実。現実のミリオネアの大半は質素な暮らし、一般庶民と変わらない生活をしているという。)
続いて③だが、これは後の章で詳述する金融資本の運用になる。
そして①だが、これはいわゆる「勤労収入」と考えてもらって差し支えない。
そして、この勤労期間を長くとることが、収入を得る確実な方法であり、将来はできるだけ長く働くことがグローバルスタンダードになると著者は言う。
著者によれば、日本は平均寿命に対して定年解雇が早すぎるという。
(そもそも公的年金制度が創設された1940年代、日本の定年は50歳で、平均寿命は55歳だった。)
老後問題の根本は、「老後」の期間が長すぎることが問題で、それを解決するには「老後」を短くすればいいというわけだ。
本書が出版された当時は「定年70歳」の話は表に出てきていなかったが、5年の歳月を経て「老後の短縮化」が現実味を帯びてきたことになる(というか現実になるだろう)。
定年70歳なんて非現実的だ。
判断力や体力は明らかに衰えるから、そもそも仕事に適さない。
なんていう声もありそうだが、今後は医療や科学の進歩によって年をとっても若い体を維持しやすくなっているだろうし、そもそも少子高齢化でそんなことは言ってられなくなる。
というか、今の時代で70代で悲鳴を上げる人は普段の生活習慣が悪くて自ら体を苦しめているような人な気がする。
まあ、私自身は死ぬ間際まで働くなんてまっぴらごめんだけど。
下記に続く。
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