インドの入門書。
概要
インド出身のコンサルタントであるサンジーウ・スィンハが送る、日本人向けのインド解説書。
インド人が計算が得意なのはなぜか、IT系人材がなぜ多いのか、我々がインド人に抱く疑問に答えながらインドの現状を綴る。
時折筆者の体験談を織り交ぜつつ、インドと日本が共存するための方針を示す。
レビュー
久々に、本を読んで自分の無知さをダイレクトに感じた一冊だった。
本書を読まなければ、IITの存在など知らなかったし、インドが急速に発展した背景に触れることもなかった。
本書が刊行されて10年が経つが、今のインドの原点を知る上では本書は現在でも最適である。
自分もインドのことはほとんど知らなかったが、本書で解消された疑問がいくつかある。
グローバルかつITに強い人材が生まれる背景には、それにふさわしい土壌お国柄があった。
これを踏まえると、逆説的に日本でグローバル人材が生まれにくい理由がなんとなくわかる。
インドでは個人主義であり、スポーツも盛んではない(団体競技の野球やサッカーは尚更)。
故に、インドの小学生は運動ができることより、勉強できること、議論が得意であることで一目置かれる。
小学生の頃、運動嫌いで勉強しか取り柄がなかった自分が、もしインドのアッパーミドル層に生まれていたら、と思わずにはいられない。
そうすればそのまま英語による教育を受けて英語にも困らず、もう少し自分の可能性を広げられていたかもしれない。
まあそんなタラレバ言っている暇があったら勉強せいと言われるのは百も承知ではあるけど。
個人的に一番印象的だったのが、最後の最後。
日本で車椅子生活することになった筆者が、外出時に多くの人に助けられ、日本には他人を助ける優しさが残っていると実感した話。
対して中国やインドでは、自分の生活に精一杯で、他人を助ける余裕がないと述べている。
このエピソードからおそらく10年は経っているだろうが、今の日本は筆者にどう映るのだろう。
正直10年前と比べて、他人に対する優しさが少なくなったと感じるのではないだろうか。
終わりに
ブログを始めて5年になるが、今回初めてWordPress のアプリを使って執筆してみた。
リンカーが使えないなど不便さはあるものの、下書きをコピー & ペーストする手間が省けるのはありがたい。
現在、完全に子どもと読書の記録になっているこのブログだが、それでも続けられるだけ続けていきたい。
END
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